タイの洪水関連情報
現在の状況
先週発生した大雨により主要ダムの水位が上昇しています。Sirikit ダムとBhumibolダムは貯水容量に対してまだ余裕がありますが、PasakダムとKwae Noiダムはほぼ貯水容量に達しています。
Chao Phraya川上流域からの水量が増加しているため、下流域の水位も上昇しており、特にAyutthaya県、Chainat県、Pathumthani県では警戒水位に達しています。
中国から張り出した低気圧と季節風の影響により、来週もタイ全土に渡って大雨への警戒が必要です。
政府組織の対応
タイ王国内務省災害防止軽減局は、洪水対策について、タイ北部、東北部および中央部に位置する主要河川沿いの34県との調整を開始しました。
降雨量やダム貯水量、河川水位は常時モニタリングされており、洪水の影響が拡大する場合に備え、救急隊の組成、防水壁や排水ポンプの設置について準備が進められています。
洪水発生状況:
10/11:Pa Yao 県の Mae Sai地方で夜間の大雨による鉄砲水が発生し50-70cm浸水
10/12:Ang Thong県でChao Phraya川が越水しPa Mok地方に被害が発生
10/14:Bangkokで夜間の大雨によりWipawadee、Ratchadapisek、Petchburi、Ladprao、Petkasemなどの主要道路が冠水
10/14:Ayutthaya県のChao Phraya川周辺で洪水が発生。その他7県(Lopburi、Kumpangpetch、Singburi、Angthong、Nakhon Sawan、Chainat、Tak)でも洪水による被害が発生。
Ayutthaya県で発生している洪水の状況
現在、Ayutthaya県のBangnan地方、Sena地方で洪水により最大1.5mの浸水が発生しています。これらは例年浸水が発生するエリアであり、1週間程度で水が引く見込みです。
なお、Choaphrayaダムの放水量は10/10以降、2,500m3/secに達しており、昨年の2.100m3/secを上回っています。
今後予想される低気圧の影響
フィリピンの東で発生した台風20号(KHANUN)は勢力を弱めて低気圧となり、中国・海南省からベトナムへ移動しています。王室灌漑局(RID)によれば、タイがこの低気圧によって直接影響を受ける可能性は低いものの、降雨量が増加するおそれがあるとのことです。
Bangkokで発生した内水氾濫の状況
10/13の夜から14の早朝にかけてBangkokで大雨が降りました。タイ気象局(Thai Meteorological Department)によれば6時間で200mm以上の降雨となったエリアもあり、下図に示すとおり多くの地域で90mm以上の降雨量が観測されています。この大雨により内水氾濫が発生し、多くの主要道路が冠水しました。Wiphawadi roadでは30-60cmの冠水深が確認されています。
道路の冠水状況
貯水量:Sirikitダム
貯水量:Bhumibolダム
貯水量:Pasakダム
貯水量:Kwaenoiダム
チャオプラヤ水系の河川水位(チャオプラヤダム上流)
Chao Phraya川上流の水量は増加しておりYom川とNan川が合流するPhichitでは警戒水位に達しています。また、Ping川とWang川の水量も増加しています。
Chao Phrayaダムの貯水量は貯水容量付近まで達しており、下流域への放水量が増加しています。
チャオプラヤ水系の河川水位(チャオプラヤダム下流)
参照
https://www.thairath.co.th/content/1013932
https://www.tmd.go.th/7-day_forecast.php
http://water.rid.go.th/flood/plan_new/chaophaya/Chao_low.php?cal2=15082017